トレードに「才能」は必要か?凡人でもエキスパートになる方法。

どうも塚田です。

今日は、グリット「(やり抜く力)」という本を読んでいて、トレード技術の向上に役立つ話があったのでシェアしたいと思います。

あなたは、自分のことを「トレードの才能が無いから上手くいかない」とそんな風に思ってはいないでしょうか?

そんな疑問を、今回は解決したいと思います。

人を天才だと決めつければ、自分が楽

そもそも「天才」とは一体どんな基準で決まるのでしょうか?

「すごい!」と思うような人を見つけると、人はそれが「才能」だと認識してしまう癖があります。

新聞やテレビなどで取り上げられる、スポーツ選手や芸術家の功績を見ても、「才能」に注目し、取り上げられることが多いでしょう。

しかし、才能を過大評価することで、他の全てを過小評価してしまうことにも繋がります。

 

実は、優れた人物を神格化し「天才!」と称えるのは、「自分が楽」という側面があるのです。

哲学者のニーチェはこんな言葉を残しています。

「我々の虚栄心や利己心によって、天才崇拝に拍車がかかる。天才というのは神がかった存在だと思えばそれに比べて引け目を感じる必要が無いからだ」

「あの人は超人的だ」と言って神格化するのは、「張り合うことを諦めること」でもある。

例えば、日本の起業家として最も成功したと言える、ソフトバンクの孫さんを例にすれば、分かりやすいです。

孫さんの経歴を見れば、大学在学時代に1億円で事業の売却に成功し、その後恐ろしい速度で企業を成長させていることから、まさに「天才」と言える経歴を持っていると言えます。

しかし、「孫さんは神!」と崇めてしまえば、それだけで「自分には関係ない」「孫さんは天才だからね」というバイアスが働くことになります。

つまり「天才」と神格化することで、やすやすと現状に甘んじられることになるのです。

人は偉大な人物の功績を目にすると、その影に隠れた努力の量を知ろうとすることはありません。

そこには、「自分が知らない方が努力をしなくて済むから」という隠れた本音が潜んでいます。

なので、何でもかんでも「才能」でひとくくりにして良いものではないんですね。

才能とは何か

もちろん、「才能」が成功や成果に関係しない、ということではありません。

例えば、水泳選手で金メダルを獲得するには、身長180センチ近い体格がなければ、殆ど勝負になりませんし、長距離走の種目で上位の大半を占めている「ケニア」の人達が、骨格的に長距離走に優れた遺伝子を持っていることなどがわかっています。

悲しいことに、身長160センチの人と身長180センチの人の「水泳の才能」や、日本人とケニア人では「走る才能」が異なるのです。

ではそうなると、「全て才能で決まってしまうのか?」という議論になりますが、もちろんそんなこともありません。

「GRIT(やり抜く力)」の著者、アンジェラワースは、達成の方程式を以下のように表している。

達成の方程式

「才能」とは、努力によってスキルが上達する速さのこと。一方、達成とは、習得したスキルを活用することによって得られる成果になる。

つまり、才能があっても努力しなければ、スキルが生まれないし、スキルがあっても、努力しなければ、成果が出ないということになります。

繰り返しになりますが、「才能」が成果に関係ないということではありません。「才能」すなわち、「スキルが上達する速さ」はもちろん大切です。

しかし、ポイントは「努力」が、「スキル」と「達成」の2つに関係している点です。

「スキル」は努力によって培われますが、それと同時にスキルは「努力」があって初めて成果を生み出します。

アメリカ文学における偉大な作家ジョン・アーヴィングの例

ベストセラー作家のジョン・アーヴィングは、重度の「読字障害」があり、昔から読み書きが苦手でした。

そんなアーヴィングが身を持って学んだのは、次のようなことです。

「何かを本当に上手くなりたいのなら、自分の能力以上に背伸びをする必要がある。」

「小説を書く場合、執筆のペースが遅くても、べつに誰も迷惑がかからないからね。いくらしつこく書き直したって構わない」

「ほとんどの作品は、最初から最後まで書き直した、自分の才能のなさを骨身にしみて感じた」

そうして粘り強く修正を繰り返し、彼が生み出した物語は、その後何百万もの人びとを感動させることになりました。

アーヴィングは読字障害を患っていたので、小説を書く才能は他の人よりも低かったと言えるでしょう。

しかし、その才能を努力で伸ばし、スキルを獲得しました。(才能✕努力=小説を書くスキル)

そして、スキルを努力で活用し、小説を完成させたのです(スキル✕努力=小説の完成)

才能だけあっても小説は完成しないし、スキルだけ身についても意味が無いことが分かると思います。

何が言いたいのかというと、才能はもちろん大事ですが、「努力は才能よりも大切」ということを伝えたいのです。

情熱と粘り強さをはかるテスト

情熱と粘り強さを測定するには、「グリットスコア」というスコアがあり、テストで計測することができます。

遊びだと思って気楽に解答してみてください。

グリットスコアテストは1から10までの質問に当てはまる数字を答え、その数字を10で割ったものがグリットスコアになります。

ちなみにこのグリットスコアは、「今あなたが自分のことをどう思っているか」が反映されているに過ぎません。

このテストでは、「情熱」と「粘り強さ」の2つの項目を測定することができます。

グリットスコアは「粘り強さ」を測ることができ、「情熱」のスコアは1つのことに専念する能力を測ることができます。(「情熱」のスコアを出すには、奇数の問題にだけ解答し、5で割れば良い)

このテストの結果で悪い数値が出ても、結果を出せないと落ち込む必要はありません、例え今低くてもグリットスコアは変化していくからです。

通常、情熱よりも、粘り強さの方が高く出る傾向があるようです。

ちなみに、私は、粘り強さは3.2と平均以下で、情熱が4.6という謎の結果となりました。怠け者の体質が反映されているのかもしれません。

やり抜く力は伸ばせる

やり抜く力を伸ばせることの例として、「フリン効果」を紹介したいと思います。

フリン効果とは、ニュージーランドの社会学者、ジェームズフリンが発見した減少で、過去100年で人々の知能指数が飛躍的に高くなったものを示すものです。

持って生まれた適正を「才能」とするならば、才能は変えることはできませんが、スキルや能力は伸ばすことができます。

この研究では、現在最も普及しているIQテストを100年前の人々が受けたら、平均IQは70になるというデータがあり、一方現代の人々が100年前の基準で知能検査を受けたら、平均IQは130になるという研究結果があります。

人間に元々持つ「思考の才能」は変わっていないのに、思考能力は進化していることが分かると思います。これは、テクノロジーの発達により抽象化能力が高くなったことが原因だと言われています。

この結果から何が分かるのかというと、「脳は使えば使うほど進化していくもの」であることが分かります。

つまり、持って生まれた才能は変化しなくても、スキルは向上していくことが分かるでしょう。

「頑張る」のと「努力」は全く違う

成果を出すためには、努力が大切だというのは、誰に言われなくても分かることでしょう。

しかし、なんでも必死に頑張れば結果が出る訳ではありません。たとえ、一生懸命取り組んできたことでも、やめた方がいいことはいくらでもあります。

水泳選手になるために、腕立て伏せを毎日1000回やっても意味がないことは分かると思います。

闇雲に頑張るのではなく、「意味のある努力」「方向性の合っている努力」を続けることが、目的達成のためには欠かせません。

これは「意図的な努力」と呼ばれていますが、意図的な努力とは、「こういう問題を解決する」という課題をあらかじめ設定して、努力をすることです。

トレードのスキルも同じで、目的の無い努力では、トレードスキルが上達することはありません。

毎日なんとなく学習をして、なんとなくトレードをしていれば、資金は減るばかりです。

では、どうすればよいか?

真のエキスパートがやっている目標設定

そのために、「努力する動機」を生み出す、ゴール設定が重要になります。

ここでは、グリットで紹介されていた、真のエキスパートがやっている目標設定を紹介します。

1・ストレッチ目標を設定する
2・しっかりと集中してストレッチ目標の達成を目指す
3・改善できるところがあったら徹底的に修正する

ストレッチ目標とは、高めの目標設定のことです。

高めの目標設定をすることで、その目標を達成する為の課題が明らかになります。

自身が抱えている課題が明らかになれば、弱点の克服に徹底的に修正することで、スキルを向上させることができます。

繰り替えしになりますが、努力した時間の長さよりも、「どう練習するか」が重要なので、「どのようにトレードの学習に取り組むか?」は真剣に考えてください。

解決したい課題も無いのに、チャートとにらめっこしたり、線を引く練習をしたりしても、上達することはありません。目的の無い学習は全て無駄な時間になります。

持って生まれたトレードの才能は変えることができませんが、スキルを伸ばし成果を上げることは努力次第ではできます。

どうか、「努力の方向性」を間違わずに、素晴らしいトレーダーを目指してくださいね。

マーケット動向

昨日は、米国が休日ということもあり、動意が薄い一日でした。

今市場で次のテーマとして注目されているのは、21日からの米上院でのトランプ大統領に対する弾劾裁判や21~24日のダボス会議だと思います。

ダボス会議は、2018年に「弱いドルは米国にとってよいこと」と発言されたことで大きく動きましたので、今年もムニューシン米財務長官の発言には要警戒です。

イラン関連では、英仏独がイラン核合意の違反を巡る紛争解決メカニズムを発動したことに対して、イランのロウハニ大統領が反発しており、中東の地政学リスクが警戒されています。

地政学リスクもありますが、為替相場への影響度から考えると、米国の動向が一番大きな影響を与えます。

そんな状況の中、本日のアジア時間に円が急騰する動きになっています。(ハンセン先物の売りが影響したという見方が市場では出ている)

こういう材料が薄い相場では、何がトリガーとなって相場が動くかは予測ができませんね。

ただ、ファンダメンタルズが薄い局面では、テクニカルが効きやすくなりますし、逆にファンダが強いとテクニカルが機能しなくなるという傾向にあります。

先週末からトレードしているドル円はテクニカル的なポイントでポジションを持ちました。
米国債10年利回りが頭打ち、イールドカーブはフラットニングを示唆している状況で、ドル円のショート。

昨日はポジションを持ったまま何もしなかったですが、やっと動き出しましたね。

ロンドン市場以降の戦略をまた考えていきたいところです。

では、今週もコツコツやっていきましょう。

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Tatsuya Tsukada
1988年、山梨県生まれ。株式会社JOE代表取締役。 僕は資産運用のプロです。メルマガの読者は1万5000人を越え、現在はトレードをする傍ら、複数の会社を経営しています。 2012年よりブログを開始。トレードスクールの運営を行い3000名を越える受講生がいます。また24fitnessサイボディの創業者として経営に携わっています。

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